Her X-1 は中性子星と恒星からなる食連星であり、中性子星付近には相手の恒星からの質量降着により、降着円盤が形成されていると考えられている。我々はこの天体をXRISM衛星で観測し、今までに報告されていた、相手の星からの降着流からの放射と考えられる、細い鉄輝線放射(幅50 eV @6.4 keV)が幅20 eVと2eVの2種類の輝線で表される兆候を捉えた。
M31で発生した突発天体AT 2025abaoをluminous red novaであると同定した。本天体は2025年10月17.4798UTに17.8等で板垣公一氏によって発見された。その後、本天体はM31で見られる通常の新星よりも明るい~15 等まで増光したため、京都大学岡山天文台3.8mせいめい望遠鏡に搭載の低分散面分光装置KOOLS-IFUを用いて分光観測を行った。10月29日と31日ともに、Hα輝線がFWHM ~600-700km/s 程度で検出された。一方でHβ輝線は29日には見られたものの31日には見られなくなっていた。これらの特徴は2019年にM31で発生したluminous red novaであるAT 2019zhdと似たものであるため、AT 2025abaoをM31で発生したluminous red novaであると結論づけた。なお、本天体と同じ位置に、2023年にWINTERによるJバンドのサーベイで、赤外線での変動天体WNTR23bzdiqが発見 (Karambelkar et al. 2025) されているが、これはluminous red novaの起きる前の共通外層進化に伴う質量放出によるものだと考えられる。